歯磨き粉の成分を気にする人が避ける2大成分と言えば、ラウリル硫酸ナトリウムとサッカリンNa(サッカリンナトリウム)。
特にスーパーなどでよく見かける子ども用の歯磨き粉には、たいていサッカリンNa(サッカリンナトリウム)が入っています。
歯磨き粉の裏の表示を確認してみてください。
どうしてサッカリンNa(サッカリンナトリウム)が嫌われているのか?
その理由と、本当に体に害がある成分なのか、まとめてみました。
Contents
サッカリンナトリウムが歯磨き粉に何の為に入ってる?毒性疑いの詳細とは?
まず最初に、サッカリンとサッカリンNa(サッカリンナトリウム)の違いを書いておきます。
サッカリンを水に溶けやすくされた物がサッカリンナトリウム(サッカリンNa)です。
歯磨き粉にはサッカリンNa(サッカリンナトリウム)が使われています。
サッカリンNaとは?
※以下サッカリンでいきますね。
サッカリンは甘味料の一種で、人工甘味料です。
自然界に存在しない甘味料で、人工的に合成して作られたものです。
サッカリンの甘味は砂糖の400倍。
体の中で吸収されず、代謝もされないのでカロリーはほぼゼロです。
そのまま排出されます。
人工甘味料のグループは、石油などが原料の化学合成物質という事になります。
人工甘味料のグループのサッカリン以外のアスパルテーム、アセスルファムカリウム、スクラロースも、検索すれば不安になる記事ばかりです。
これらの人工甘味料はどれもとっても身近にある存在で、カロリーゼロ、糖類ゼロと謳っているジュース、ダイエット飲料などにバンバン使われています。
子どもに飲ませる炭酸ジュースで、砂糖を選ぶか、人工甘味料を選ぶか、議論になりますよね。
サッカリン、サッカリンNaは、生姜の酢漬け(ガリ)や、ガム、歯磨き粉、口臭スプレーなどに使われています。
サッカリンは人工甘味料の中でも一番最初に作られた(発見されたという言い方が合ってるかもしれません)、歴史のある人工甘味料だそうです。
サッカリンの歴史
1878年 ドイツの化学者が研究中に偶然発見。
1879年 その化合物の論文を発表。
1884年 サッカリンと名付けられ、商用化。
第一次世界大戦で砂糖不足になり、急速に世の中に広まった。
1960年~1970年代には、ダイエットに広く知られるようになりました。
日本でも喫茶店やファミレスで「スウィートンロー」をよく見かけましたよね。
発がん性?毒性がある?サッカリン黒歴史
1970年にラットの実験で発がん性があるとして、厚生労働省はサッカリンを使用禁止にする。
その後、サッカリンが原因でない事が判明し、禁止を解除する。
1980年代 カナダでのラットの実験で膀胱がんが発生。
サルの実験では膀胱がんは起きず、結局使用は継続され、現在に至るそうです。
厚生労働省は食品添加物として1日の摂取許容摂取量を定めながらも、サッカリンは安全だとして認可しています。
子ども用の歯磨き粉にサッカリンNa。何の為に入ってる?
サッカリンNaが配合されている子ども用の歯磨き粉の表示には「香味剤」の欄が多いです。
「甘味料」じゃなくて「香味料」なんだ~、と思いませんでしたか?
ぶどう味、いちご味、サイダー味だけなら「香料」で風味を感じられますが、様々な成分が混ぜ合わさっての歯磨き粉なので、苦味やケミカル味を消す為に甘味=甘味料(サッカリンNa)が使われていると考えられます。
グレープフルーツ味やレモン味など、フレーバーがある炭酸水ってよくありますよね。
甘く感じる人もいると思いますが、実際は甘味料は入ってなくて「香料」だけなんですよね。
無味無臭の水なら香料だけで味が付いているような気分にさせてくれます。
歯磨き粉は無味無臭の成分ばかりではないですからね。
結論:たぶん大丈夫。でも1日の摂取許容量が少なすぎて恐い。
厚生労働省はサッカリンは毒性が低く、がんにはならない、という結論によって、食品添加物として使用を認めている、という事が分かりました。
しかし、サッカリンは人工甘味料であり、体に100%害がないとは言い切れないと思います。
もしかしたら何かあるかも?という事があるから摂取許容量を定めているのかもしれません。
サッカリンNaの摂取許容量は、体重1㎏あたり5㎎。
体重10㎏の子どもなら、1日の摂取許容量は50㎎。
グラムの方がイメージわきますか?
1㎎=0.001g。
0.05gが許容量です。すごく ちょっとな気がします。
先ほどのスウィートンローは1袋1g入ってます。
スウィートンローの中身はサッカリン以外にも色々入ってるので、サッカリンが1gではありません。良かった。
しかし、摂取許容量が少量なだけに、サッカリンを含む歯磨き粉や食品は注意した方が良さそうです。
「今日何㎎体に入ってます」って誰にも分かりません。